2015年10月24日 (土)

本を作る(6)

 本の発売日が決まりました。10月30日が初版の発行日になります。実はもう筆者のところにはダンボール箱ふたつ分の新著(つまり著者在庫分です)が届けられているのですが、出版社によれば、ISBNコードの登録に2週間程度かかり、書店注文ができるようになるのはそれからなのだそうです。おそらく10月30日頃には書店やインターネットで注文できるようになると思います。まずはいち早く確定した本の表紙を見ていただきましょう。左が宣伝用の帯(業界用語で腰巻きというそうです)を付けたところ、右が帯を取ったところのイメージになります(クリックで拡大します)。ここだけの話ですが、帯のコピー文もすべて著者の手になるものです。いけしゃあしゃあと大言壮語を並べてしまいました(笑)。

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 書店流通が始まると言っても、もちろんそれで全国津々浦々の書店に並ぶ訳ではありません。名もない書き手による自費出版本に、書店からの注文が入るわけもありません。それでも一部の書店には配本されるようです。この業界には「委託配本」というシステムがあるからです。慢性的な出版不況であるにもかかわらず、出版ラッシュが常態となっているこの業界では、書店が今月の新刊をすべてチェックして、仕入れる本を選ぶなんてことはできません。取り次ぎ(トーハンや日販のような流通企業)が、書店の規模や特徴に合わせて新刊をパッケージ化して一方的に送り付けて来るのです。それが委託配本という制度です。日本の書籍流通は、書店在庫や流通在庫を自由に出版社に返本できる仕組み(委託販売制度)になっていますから、書店では注文もしていない本が取り次ぎから送りつけられても、直接のリスクはないのです。売れそうもない本や一定期間棚に置いても売れなかった本は、返本してしまえばいいだけのことだからです。

 出版社や著者の側からすれば、どんなかたちであっても書店に流れることには意味があります。本は出版社の倉庫に寝かせておいても絶対に売れませんが、書店に配本されれば少しは売れるチャンスがあるからです。もしかしたら書店員が間違えて(?)棚に並べてくれるかも知れない。もしかしたらお客さんも間違えて(?)手に取ってくれるかも知れない。可能性は限りなく低いですが、ゼロではない訳です。しかし、ここでも自費出版本は旗色が悪い。実は自費出版の契約には有償で委託配本に乗せるオプションがあるのですが、委託先の書店は大型書店に限定されますし、陳列される棚はたいていは売り場の片隅にある「自費出版本コーナー」のようなところだからです。自費出版の広告では「あなたの本が書店に並びます」といったキャッチコピーを見かけますが、その実態はそんなもののようです。

 今回の出版に当たっては、本を売るためのオプションをいろいろ付けてみました。それもまあこのブログ記事のためのネタ作りという面もあるのですが、どのオプションが最も費用対効果が高いのかを試す意味もありました。(もちろんすべてが空振りに終わる可能性が一番高い訳ですが。) 委託配本や出版社による営業というオプションの他にも、書店に向けたFAXによる広告、マスコミや著名人に向けた献本というオプションも付けました。(もちろんすべて有料です。) 書店向けのFAXは、大都市圏の大型書店に向けてチラシをFAXで送るというもので、1店あたりいくらという料金設定になっています。こちらは全部で500店以上に送ることにしました。献本の方は新聞社や雑誌出版社などのマスコミ、それに当該分野で発言力を持っている著名人などに本を贈呈するもので、これは書評などで取り上げてもらうことを目的としています。こちらは出版社のアドバイスも参考にしながら、マスコミ向けと個人向けに約70冊ほどを送ることにしました。献本について助かったのは、個人では調べにくい著名人向けの送付先などを、出版社の方で調べてくれて、発送作業もすべてお任せできたことです。(と言っても、個人の住所に送る訳ではなく、所属する大学や著書の発行元に送るようですが。) ちなみに書店向けに作成したチラシのイメージも掲載しておきます。こちらの文章はすべて出版社の方で作成したものです。

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 さあ、これだけの仕掛けをして、結果はどうなることでしょうか。初版は2000部を刷ったのですが、何部くらいが売れるものなのでしょうか。またリアル書店とアマゾンのようなようなネット書店とでは、どちらが無名の新人作家にとって相性がいいのでしょうか。出版社からは、例えば週単位や月単位では売上状況の報告を受け取ることはできないようなので(その点が少し不満)、結果をリアルタイムにお伝えすることは難しそうです。何か大きな変化があった時には、またこのブログでお伝えします。ということで、とりあえず今回の連載はここまで。この記事をここまで読んでくださった方は、ぜひ書店で手に取ってみてください…と言いたいところですが、書店にはまず並びません。ぜひお近くの書店から注文してください。このブログに関心のある方なら、絶対に損をさせない内容になっていますので…

『約束するお金と感謝するお金』
著者:矢野洋二
出版社:ブイツーソリューション
定価:1200円+税
ISBNコード:978-4-434-20932-1

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2015年8月16日 (日)

本を作る(5)

■表紙のデザイン案が送られて来た

 原稿を書き上げて、出版社に売り込みを始めたのが、今年の3月でしたから、もう半年近く経ってしまいました。自費出版を決意してからもトントン拍子という訳にはいきませんでした。なるべく費用を抑えたかったので、原稿は自分で編集して、ページ設定や目次の作成もすべて自分でやりました。(おかげでMSワードの使い方には、だいぶ習熟しました。) 本文に挿入する図やグラフも、以前このブログに掲載したものをそのまま流用することにしました。ただ、表紙のデザインだけは、プロのデザイナーにお願いすることにしました。そういうオプションも出版社の方で用意してくれているのです。自費出版では、どこにお金をかけて、どこを節約するかも自分で考えて決めなくてはなりません。

 表紙をデザイナーさんに依頼したいと言うと、どんなイメージの表紙にしたいですかと編集者の方から聞かれました。何も考えていませんでした。せっかくお金を出してデザインを頼むのですから、インパクトがあってしかもセンスのいいものにしたい。いろいろ考えた挙げ句、本文のなかに挿入した図をそのまま表紙のデザインに使う案を思い付きました。――そう言えば、まだ本の内容については何も説明していませんでしたね。今回の本は、このブログでも過去にたくさんの記事を書いて来た、新しい地域通貨のアイデアに関するものです。ブログ記事は、その都度新しい思い付きで書いているので、互いに矛盾があったり、また重複した内容があったりしますが、今回はそれをもう一度整理して、全体として整合性を持たせたのです。これまでの地域通貨論の集大成と言ってもいい。で、私が出版社に送った表紙デザインの素案は次のようなものでした。
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 タイトルは「約束するお金と感謝するお金」というものです。約束するお金というのは、日本円のような銀行通貨のこと、感謝するお金というのは、私が提案する新しい地域通貨(「感謝通貨」と命名しました)のことを指しています。表紙に配したのは、現在のお金(銀行通貨)の流れを表した図です。そして裏表紙の図は、感謝通貨を導入したあとのお金の流れです。もしも表紙の図がうまくリライト出来たら、本文の挿し絵もそれに差し替えようと思っていました。(私が描いた絵はいかにも素人っぽいものですから。) また本を出すに当たって、ペンネームも新しく考えました。「矢野洋二」…なんの変哲もないありふれた名前ですが、これはブログのハンドル名「Like_an_Arrow」を読み替えたものです(矢のように。自分で考えた訳ではなく、名付けてくれた人がいたのです)。――さて、待つこと1か月、出版社からはこんなデザイン案が送られて来ました(クリックで拡大します)。

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 なるほど、やっぱりプロのデザイナーはセンスが違う! これを見た瞬間、自分で表紙のデザインをしなくて良かったとしみじみ思いました。餅は餅屋ですね。ただ、描いてもらったマネーフローの図で、本文の挿し絵も差し替えようと思っていた目論見は断念せざるを得ませんでした。デザインとしてはすぐれていますが、本文の説明とは不釣合いだったからです。これはあくまでイラストとしてのみ使わせてもらおう。そうすると、表紙のデザインも私の考えた案にこだわる必要はなくなります。出版社からはこれ1案だけでなく、他にもいくつかの案が送られて来ていました。

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 安いデザイン料でここまでやってもらえるとは思ってもいなかったので、正直恐縮してしまいました。(オプションのデザイン料金は3万円でした。) しかもデザインは表紙だけでなく、表紙に付ける帯(業界用語で「腰巻」っていうんでしたっけ?)も含まれているんです。帯に付けるキャッチコピーは自分で書きましたが、デザインはお任せしました。デザイン案をやり取りしているあいだにお盆休みに入ってしまいましたから、確定案をここでお見せすることは出来ません。それは本の発売日が決まった時点でお披露目します。

 著者が検討しなければならないオプションは、表紙のデザインだけではありません。それよりもっと重要な決定があります。本の売り方をどうするかということです。ISBNコードを取得して書店流通に乗せることは当然として、その他にも書店への委託配本をするかどうか、出版社の営業担当者に書店への営業をお願いするかどうか、書店への注文チラシのFAXはどうするか、プレスリリース(マスコミへのチラシ配布)をどうするか、電子書籍としても流通させるか、そういったことがそれぞれオプションで選択出来るようになっているのです。(著名人への献本を代行してくれるオプションまであります。) それらのオプションを使わなければ、せいぜいこのブログで宣伝して、あとは読者からの注文を待つだけになる訳です。

 すでにインターネット上でたくさんの読者を持っている人なら、そんなオプションなんて付けなくても、一定数の販売は見込めるでしょう。いや、ネット著名人なら、費用をかけて紙の書籍を作らなくても、電子書籍だけにした方が営業効率はいいかも知れない。が、名もない書き手にとって、紙の書籍はそれ自体が商品である以上に販売ツールにもなるのです。形ある本でなければ、委託配本も出来なければ、プレスリリースや著名人への献本も出来ませんから。もちろん自費出版専門の出版社から委託配本の依頼が来ても、書店は中身も見ずに返本してしまうだけかも知れません(きっとほとんどがそうでしょう)。それでも出版社の倉庫に寝かせて客注が入るのを待つだけよりは、多少は人目にふれるチャンスがあるはずです。

 とりあえず出版社との最初の契約では、委託配本と営業のオプションだけをお願いすることにしました、電子書籍化のオプションについては迷いましたが、とりあえず費用もかかるし、やめておきました。紙の本が売れないのに、電子書籍だけが売れるなんてことは考えにくいですから。プレスリリースや献本については、本が出来てから考えましょう。これらの営業戦略が効を奏するかどうか、あるいはすべてが空振りに終わるかどうか、それは現時点では分かりません。ここからは何か状況が進展した時点で、リアルタイムでお伝えしたいと思います。ですからこの連載も不定期になります。ここまで読んでいただいた皆さん、ぜひ「約束するお金と感謝するお金」を応援してくださいね。

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2015年8月 9日 (日)

本を作る(4)

■自費出版の収支シミュレーション

 企画出版には採用されず、共同出版の誘いにも乗ることが出来ず、残された選択肢は自費出版だけということになりました。しかし、ここまでたどり着くまでに、出版業界の実態も少し分かって来ましたから、下手なところと契約を結んで後悔するようなことはあるまいという程度の自信を持てるようにはなっていました。まあ、そんな自信を持ったところで、何も将来の展望が開けるようなものではありませんが。結局、インターネットでいろいろ調べて、この分野で最も実績があるらしい「お手軽出版ドットコム」というところに依頼することにしました。

 決め手は、インターネット上で見積りのシミュレーションが簡単に出来ること、見積価格がリーズナブルである上に費用の内訳が明細ベースで表示されて、いかにも明朗会計であるように見えること(ちなみに以前受け取った共同出版の見積りには内訳の記載もありませんでした)、そして利用者の声がおおむね好評でリピーターも多そうだというようなことでした。いや、正直に言うと、大手の自費出版専門の会社から自分の本を出すことには抵抗もあったのです。この業界には自費出版や共同出版で名の通った(?)出版社が何社かあって、背表紙を見ただけで、業界通の人には自費出版本だと分かる仕組みになっています。知り合いに自著を配る時にも、それを見透かされるのは恥ずかしいことだという気がしたのです。だったらむしろ名も無い小さな出版社に依頼した方がいいんじゃないか?

 しかし、そんな自分の小さな見栄はくだらないものだとすぐに思い直しました。自費出版で出されるどんな本にだって、著者の切実な思いが籠められており、たくさんの工夫が凝らされているものでしょう。最初から売らんかなで企画される話題の本よりも、出版というものの原点に近いのはそちらの方かも知れない。それが市場価値を持つかどうかは市場が決めればいいことです。重要なのは、自分の本に潜在的な読者がいるとして、その人たちの手に何とかしてこの本を届けることです。つまり、少なくともISBNコードを付けて、書店で注文出来るようにしなければならない訳ですが、その点はどこの出版社でも保証してくれています。あとは作品自体が持っている起爆力と、あるかどうか分からない運に任せるしかない。もちろん自分でも営業することが必要ですし、そのためにやるべきことはたくさんあります。(その経過も本連載で実況中継する予定です。)

 ここで少し話題を変えて、自費出版(および共同出版)というものの経済的側面について書いてみたいと思います。というのも、最初に共同出版の会社から見積りを受け取った時から、本を出版した後の収支がどうなるかということに興味が湧いたからです。断っておきますが、私は自分の本が売れて利益が出るなんてこれっぽっちも思ってはいないし(いや、そうなればいいとは思っていますが)、お金を儲けるために本を書いた訳でもありません(そのことは本の中身を見ていただければすぐ分かります)。最近はプロの作家でもなかなか本が売れなくて大変だという話をよく聞きます。昔は著者に支払われる印税は、本の売価の10%程度だったのが、近頃では一部の人気作家を除いて7%くらいが相場になっているとも言います。出版というのは、著者にとっても、書店にとっても、出版社にとっても儲からない商売になっているのです(ごく一部の人気作家やアマゾンのような企業を除いて)。

 印税率が7%だとすると、800円の新書本が1冊売れて著者に入る印税は56円です。1万部売れても著者の受け取る印税は56万円。1万部と言えばベストセラーではないものの、そこそこのヒット作に分類されるのではないでしょうか。その程度のヒット作を年に2、3冊出しても、とても食べては行けない。ところが、ここで前回も触れた自費出版の見積りのことを思い出してみましょう。印刷・製本にかかる費用というのは案外安くて、新書本を2000部刷るのに最低50万円くらいで済むという話をしました。ということは、1万部なら250万円というのが「モノ」としての本の原価になります。売価800円の本が1万部売れれば、売上は800万円ですから、この時点で粗利は550万円ということになります。

 もちろんそのすべてが著者の収入になる訳ではなく、出版社や流通での経費も差し引かなくてはなりません。自費出版の出版社が設定している収益の分配比率は、著者が50%で、出版社と流通が残りの50%です(少なくとも私が依頼した出版社はそうでした)。口コミ情報のなかに、ふつうは印税率は6、7%くらいしかないのに対して、自費出版では50%も貰えると書いていた人がいましたが、もちろんこれは誤解です。企画出版では制作費や流通費や広告費はすべて出版社持ちで、著者にリスクはありません。自費出版では文字通りそれらをすべて著者が負担しているのですから、その上さらに50%もピンハネされるのは割が合わないとも考えられます。さらにひどいのが共同出版で、法外に高い費用を著者に負担させて、たとえ本が売れても数パーセントの印税(と称するもの)しか払わないというのですから、これはもう悪徳商売と言ってもいいでしょう。

 これから自費出版を考えている人のために、エクセルで簡単なシミュレーションツールを作ってみました。実を言えば自分もこのツールでいろいろシミュレーションをしてみて、最終的に自費出版に決めたという経緯があるのです。結論から言うと、自費出版には企画出版にはないビジネス上のメリットがあります。それは何かと言うと、初期投資のリスクは大きいけれども、もしも本が売れた場合のリターンも大きいということです。ハイリスク・ハイリターン。これは理に叶っていますね。これに対して企画出版はローリスク・ローリターン、共同出版はハイリスク・ローリターンということになります。そういうことがシミュレーションをしてみると、一目瞭然で分かります。次のグラフは、私が最初に受け取った共同出版の見積りをもとにシミュレーションをしてみたものです。(見積りの数字そのままではありませんが。)

□グラフ1 共同出版

Kyoudoushuppan

 横軸は本の販売部数、縦軸が収支金額を表しています。折れ線グラフの線は、赤が著者の出資、青が収入を表しています。黒はそのトータルです。1万部を売っても、著者の収支はマイナス190万円程度であるのが分かります。エクセルではもっと販売部数が増えた場合のグラフも描けますが、5万部を売り切ってようやく収支トントン。そこからも印税率6%なので、著者の収入は大したことがないのが分かります。これを見たらもう誰も共同出版に申し込もうなんて人はいなくなってしまうと思います。やはりどう考えても共同出版専門の出版社は、ビジネスモデルの転換が必要ですね。(共同出版というコンセプト自体は悪くないのですから。)

□グラフ2 企画出版

Kikakushuppan

 こちらのグラフは、同じ売価の本を企画出版で出した場合のシミュレーションです。印税率は7%に設定してあります。著者の初期費用はありませんから、赤の線はゼロに張り付いたままです。収入を表す青とトータルを表す黒の線が重なって、黒1色にしか見えませんね。著者の収入は売り上げた部数に比例しています。1万部売れれば56万円、10万部なら560万円、100万部のベストセラーなら5600万円になります。たいへんな印税額にも見えますが、トータルの売上高は8億円ですから、一番おいしい思いをしているのは出版社でしょう。著者はむしろ不当に低い印税率で搾取されていると言ってもいい。おそらく出版業という業態は、ほんのひと握りのベストセラーで、その他のたくさんの企画出版の赤字補填をする構造になっているのだと思います。ベストセラー作家は、多額の印税でひとり勝ちをしているというより、むしろ相対的に安い印税収入に甘んじることで、日本の出版文化を下支えしているとも言えるのではないでしょうか。

□グラフ3 自費出版

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 最後のグラフは、同じ条件(新書版で初版2000部、販売単価800円)で自費出版をした場合のシミュレーションです。自費出版が企画出版や共同出版と異なるのは、増刷時の印刷・製本費用も含め、発生する費用がすべて著者負担となる点です。当たり前ですね、「自費」出版なんだから。増刷のたびに支出が発生するので、グラフの形もギザギザになっています。初版を売り切れば損益はゼロに近付きますが、そこで増刷すれば収支はまた大きくマイナスに転落します。増刷をしてもコンスタントに売れ続ける訳ではありませんから、増刷の判断を間違えばそのまま不良在庫を抱えることになります。その在庫費用も著者負担です。その代わり、本が順調に売れ続ければ儲けも大きくなります。グラフを見ると、1万部売り切った場合の収支は、企画出版がプラス56万円なのに対して、自費出版ではプラス80万円以上になっています。ハイリスク・ハイリターンであることがグラフからも確認できます。

 参考までに、今回シミュレーションを行なったエクセルシートをアップしておきます。ダウンロードしていただければ、使い方はすぐに分かると思います。自費出版や共同出版では、初版時と増刷時で印税率や制作費が異なる場合がありますので、それも変数として設定出来るようにしてあります。また印刷部数も自由に設定出来ますし、もちろん売価を変えてシミュレーションすることも出来ます。自費出版を考えている人には必携のツールです。ぜひ使ってみてください。

出版シミュレーションツールのダウンロードはこちら → 「shuppan_sim.xlsx」

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2015年7月20日 (月)

本を作る(3)

■良い共同出版と悪い共同出版

 見積金額が予想していたよりはるかに高かったのです。新書判で初版2000部を刷るのに、著者負担額が約250万円もかかると言います。これはどう考えても適正な金額ではありません。そのことは暗算でもすぐに分かります。新書ですから、書店での売値は800円くらい、ということは、2000部全部売れても160万円程度の売上にしかならない。つまり著者としては、最初から持ち出しが決まっている訳です。逆に出版社としては、これでもしも著者が納得すればおいしい商売です。なにしろ著者からは初版が完売した場合に入って来る売上以上のお金が支払われる訳ですから。出版社にとっては書店ルートで売れようが売れまいが、利益は確保できている。まったくノーリスクのビジネスです。

 がっかりしてしまいました。一部の出版社でそのような見積りを送り付けて来るということは、いろいろな人の証言から分かっていました。しかし、自分の選んだ出版社に限っては、いや、自分が送った原稿に限っては、そんな理不尽な取り扱いはあるまいと高を括っていたのです。交渉をしようかとも思いましたが、どうせ無駄だろうと思い止まりました。講評を書いてくれた編集子の方は価格決定には関わっていないのだろうし、これが先方のビジネスモデルであることは明らかだったからです。はたしてこちらが見積金額が予想よりはるかに高いということを伝えると、先方からは何も言って来なくなりました。最初から「うるさ型」の客は相手にしない方針なのでしょう。あとで訴訟でも起こされたら厄介ですからね。

 今回、共同出版というものに少し関わってみて、いろいろ考えたことがありますので、それをここに書いておきます。繰り返しますが、共同出版というコンセプト自体は悪くないし、この分野で信頼のおけるビジネスモデルを実現する出版社が現れれば、それはこの国の出版文化にもきっといい影響を与えるはずだと思います。では、共同出版のあるべき姿とはどういうものか? 次の表を見てください。これは私が考える理想的な「良い共同出版」と、現実に存在する著者を食い物にする「悪い共同出版」の特徴をまとめたものです。それと対比させる意味で、自費出版についても表に追加しておきます。これを見ていただければ、出版というビジネスの裏側が少し理解できると思います。(クリックで拡大します。)

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 スペースの関係で通常の企画出版(商業出版)を表に載せられませんでしたが、それは説明するまでもないと思います。まとめればこういうことです。良い共同出版というものがあるとすれば、それは初版時は著者と出版社がリスクを分け合い、増刷になればそこから先の利益も両者で分け合うというビジネスモデルになります。出版というのは、初版の段階ではほとんど利益が出ず(むしろ赤字で)、増刷されて以降に利益が出るものですから、両者で協力し合ってなんとか増刷にまで漕ぎ着こうというのが正統な意味での共同出版なのです。ところが悪い共同出版(つまり現実の共同出版)では、その初期リスクをすべて著者に押し付けた上で、さらに通常よりも低い印税率で、初版在庫の所有権も著者に渡さないという片務的な契約条件なのですから、これはビジネスというより詐欺に近い。それでも一定のマーケットニーズがあるのは、出版というものが人の射幸心や自己実現欲求といったものに訴える分野だからでしょう。

 共同出版が著者と出版社で初期費用を分担し合うビジネスモデルだと言っても、実際には自費出版専門の出版社よりも安い費用で本を作るのは難しいと思われます。これは今回の経験で知ったことですが、本を作るのは印刷や製本という工程だけを見れば、意外なほど安くできるものなのです。良心的な自費出版専門の出版社では、インターネット上で簡単に費用が見積もれるページを公開しているところもあります。例えば、新書判で2000部の初版を刷るのに最低限必要なのは50万円程度です。もちろんそれだってふつうのサラリーマンには安い買い物ではありませんが、共同出版の見積りと比較すると5分の1です。共同出版が自費出版には無いメリットを顧客(著者)に提供できるとすれば、印刷費や製本費をさらに安くするよりも、編集や営業といった領域で協力することがメインになると思います。しかも本当にそれができるのは、出版社がその原稿の価値を確信していればこそです。

 もしも私が共同出版専門の出版社を立ち上げるとすれば、こんな経営方針にしたいところです。まず持ち込み原稿は厳しく審査する。完成度を問うよりも、粗削りでも何か光るものがある原稿を探します。それを作者とともに彫琢して市場に出しても恥ずかしくない作品に仕上げる。初版の印刷・製本費だけは作者に負担してもらいますが、その他の費用はすべて出版社が持ちます。つまり企業としての利益は、作った本を市場で売ることでのみ確保できるのです(当たり前のことですね、出版社なのだから)。そのためにはユニークな出版社としての認知度を高めることが何より重要です。つまり無名の新人を発掘する「目利き力」において突出したものがなければならない。大手出版社が出版不況を口実に、鉱脈のなかからダイヤモンドを発掘する仕事を放棄している以上、そこにビジネスチャンスがあると見る訳です。(あ、別に私の持ち込んだ原稿がダイヤモンドだと言いたい訳ではありませんよ。笑)

 ここに自費出版を専門にする出版社に対する差別化の要素もあるはずです。自費出版専門の出版社の弱味は、自社のブランド価値を生み出しにくい点にあります。基本的に来るものは拒まずで持ち込み原稿を出版していれば、当然その出版社の本は玉石混淆になるでしょう。そうすると書店に売り込む際にも、そういう先入観で見られることになる。いくら今回の本はお薦めですと出版社の営業マンが自信を持って売り込んでも、その営業費自体が著者が払うオプションに含まれていると知っている書店には響きません。これに対して目利き力のブランドを持った出版社から出る新刊は、書店も読書界も期待を持って迎えることでしょう。出版社の編集担当を志した人なら、誰もがそういう編集人になりたいと一度は思ったことがあるのではないかと思います。ということは、これは出版業として特殊なあり方ではなく、むしろその王道と言えるかも知れないということです。

 と、理屈では言っても、現実はそう甘いものではないのでしょうね。それができるなら、資金力も人材も豊富な大手の出版社がすでにそれをビジネスにしていなくてはおかしい。編集者が名も無い書き手の原稿に惚れ込んで、著者と一緒に立派な1冊に仕立て上げて、それでベストセラーが生まれるくらいなら何も苦労は要りません。むしろ編集者のそうした思い込みは、出版ビジネスのなかでは有害無益なものだという経験則が出来上がっているのではないでしょうか。出版不況というのは、つまりそうした状況そのものを指しているのかも知れません。――とまあ、余計な議論ばかりしていますね。次回はどうして私が共同出版を諦めて自費出版を選んだのか、その理由について書いてみたいと思います。これから自費出版をしてみたいと思っている方は必読です。

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2015年7月12日 (日)

本を作る(2)

■共同出版を検討する

 ほんとにインターネットというのは便利ですね。「共同出版」で検索すれば、いくらでも情報が出て来ます。共同出版というのは、簡単に言うと商業出版と自費出版の中間に位置する出版形態なのだそうです。ビジネスとして捉えた場合、新刊書が売れるかどうかは博打のようなものですから、出版社としてはなるべく確実に売れるものだけを選んで出版したい。ベストセラーを狙わなくても、固定ファンがいる作者のものだとか、時宜に叶ったテーマのものだとかが優先される訳です。

 まったく無名の作者の持ち込み原稿を気前よく採用していたら、そんな出版社はすぐに倒産してしまうでしょう。また一方で、自分の原稿を本にするためなら自費を投じてもいいと考える著者はいくらでもいる訳で、もしもその両者の思惑が一致すれば、リスクを双方で分担し合うという発想が出て来るのは自然です。それがすなわち共同出版の基本的な考え方であるようです。ビジネスモデルとしては何もおかしな点はないと感じます。

 要するにこういうことです。出版社に持ち込まれる原稿のたどる運命は、3通りに分かれます。ひとつめは出版社が自らのリスクで出版することを決定する場合で、これは企画出版と呼ばれます。原稿を書く人は誰もがこのルートに乗せることを夢見ている訳です。その対極にあるのが、出版社から商業出版に値せずと評価されてしまった場合で、それでも著者が出版を望むなら自費出版という選択肢が残されています。三つめがその中間に当たる共同出版で、これは出版社としてはある程度売れるという見込みを持ってはいるものの、リスクを一社で負うことは難しいという営業判断のもとに、著者に対して共同出資を逆提案して来るというものです。

 ところがネットで調べてみると、この共同出版というのがすこぶる怪しい。過去には詐欺まがいの商法で社会問題化したこともあったようです。出版社への持ち込み原稿や懸賞応募作品の著者に対して、「純然たる商業出版として採用するのは難しいけれども、このまま埋もれさせてしまうには惜しい作品です」などと甘言をもちかけ、法外の出資を募るというものです。著者の方は初めて自分の作品が誉められた嬉しさに、ついつい財布のひもを緩めてしまう。本は一応流通には乗りますが、もちろん売れるはずなどなく、わずかに配本された分もすぐに返本されてしまいます。ISBNコードが付いた本を出したという実績は残りますが、その小さな満足の代償として出版社をボロ儲けさせただけというオチです。

 つまり、共同出版というコンセプト自体は悪くないけれども、気を付けないとなかには悪質な業者もいる、ということのようです。で、私に共同出版を提案してくださった出版社さんがどうだったかと言うと……、実はよく分かりません。というのも、実際に見積もりをお願いする以前の段階で、先方から断られてしまったからです。こちらとしては新書判もしくはソフトカバーの廉価な本にすることを想定していたのですが(たくさんの人に読んでもらいたいですからね)、先方からの提案は箱入りの豪華本にするというものでした。おそらく特定の専門分野の書籍は、装丁を立派にして1冊当たりの単価を高く設定した方が儲かるという法則があるのかも知れません。または単に著者から高い出資金を出させるための計略だったのでしょうか。

 この一件から、がぜん共同出版というものに興味が湧いて来ました。ネット上には悪徳業者に騙されたというような体験談があふれているし、信用できる出版社を選ぶ際のアドバイスをしてくれているサイトもある。それらを読んで自分のなかにある程度、出版業界周辺の「土地勘」を養った上で、一番信頼できそうな共同出版専門の出版社に原稿を送って、見積りを依頼してみました。そういう出版社では、どんな原稿を持ち込んでも誉めちぎってくれるらしいから、どういった反応が返って来るか楽しみだぞ。そんな少し自嘲的な気分で返事を待ちました。

 1か月くらいで返事が来ました。正直な感想を言いますと、非常に的確で有益なコメントをいただいたという印象です。よく見かける歯の浮くような誉め言葉ではなく、きちんと原稿を読み込んで、作者の意図を汲み取った上で、改善のための小さなアドバイスまでしてくれている。もちろん基本のトーンは賞賛なのですが、決して空疎な美辞麗句を並べただけのものではありません。(実際にそこでの指摘を活かして若干の改稿をしたくらいです。) 何より嬉しかったのは、「全巻を通して弱者に対する作者の暖かいまなざしが感じられる」と評していただいたことで、自分としてはそのような意識は無かったので、この言葉には意表をつかれた感じでした。

 おっと、いけない、すでに相手の術中にはまっているぞ。こうして作者を気分よくさせて、出資を募るのが向こうのビジネスモデルだった。しかし、これは騙すとか騙されるといった次元の話ではありません。共同出版というのは、言ってみれば著者と出版社がイコールパートナーとして「ひと山」当てようというビジネスモデルなのですから、こちらもビジネスマインドを持って応じればいいだけの話です。私が見積りを依頼した出版社は、大手出版社系の共同出版専門の子会社で、営業力や配本力には定評のあるところでしたから、ここから先はふつうの商談として話を進めればいい。最初の誉めコトバなんて初対面の挨拶のようなものです。

 ということで、次に添付されていた見積書を見てみました。共同出版を生業とする出版社のなかには、持ち込まれた原稿の品質や可能性に応じて、著者に負担させる出資比率を変えて来るところもあるようです。それも理に叶った話です。ほんとうに売れそうな原稿なら、出版社は自分でリスクを負ってでも本にしたいと考えるはずです(他の出版社に持ち込まれても困るので)。その一方で、売れる見込みが小さい原稿はどうしても著者にリスクを負ってもらいたくなるでしょう(そのような原稿には編集や校正の費用も余分にかかるでしょうし)。つまり、共同出版にも、企画出版に近い共同出版と、自費出版に近い共同出版という2種類があるはずだということです。

 ということは、出版社が持ち込み原稿をどう評価しているかは、編集者のどんな誉めコトバよりも、見積金額を見ればはっきり分かるはずです。共同出版を選択するなら、著者をビジネスパートナーと見てくれるところと組まなければならない。著者を「カモ」としか見ないようなところとは、たとえどれほど実績や知名度があるところとでも組めない。そう心に決めて見積書を見てみました。――見た瞬間、目が点になりました。(次回に続きます。)

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2015年7月 5日 (日)

本を作る(1)

■ブログを休載していたワケ

 長いあいだブログをお休みしてしまいました。本業の方が忙しかったとか、親の介護で時間が取れなかったとか、言い訳はいろいろあるのですが、それだけが理由ではありません。実は本を書いていたんです。いや、正確に言うと、本にするための原稿を書いていたというべきですね。それがどんな内容のものか、それはおいおいご紹介するとして、今回は本を出そうと決意した無名のマイナーブロガーがぶち当たった出版業界の厚い壁のことと、その壁を前にしての悪あがきについて少し書いてみようと思います。

 このブログを開設してまもなく(2006年のことです)、自選の記事をいくつかまとめて出版社に送ったことがありました。もちろんすべて突き返されて来ました。なかには丁寧な手紙を添えてくださったところもありましたが、そこには現在の出版不況の下では無名の新人の企画原稿を取り上げることは難しいというようなことが書かれていました。そりゃあそうですよね、もしも私が1日に数万件のアクセスを誇るアルファブロガーであるならともかく、せいぜい数十件のPV(ページビュー)しかないふつうのブロガーが本を出しても注目される訳がない。もしもそれで評判になるくらいなら、すでにブログの段階で評判になっていなくちゃおかしい。(苦笑)

 でも、今回はちょっと違うぞという意気込みがありました。なにしろ今回はブログ記事を集めただけではない書き下ろしの原稿です。しかも、明快なテーマを掲げ、斬新なアイデアが随所に散りばめられた自信作でもある。まあ、内容が内容だけにベストセラーを狙えるようなものではありませんが、この本を読んで面白いと感じてくれる人は国内に数千人単位でいるんじゃないか、そんな故なき自信を持っていたのです。どこか一社くらい、この原稿に目を留めてくれる出版社があってもおかしくはない。

 最初は大手出版社の「新書本」の編集部を中心に、何社かに送ってみました。内容から言っても、原稿の分量からしても、新書判で出すのがふさわしいと感じていたからです。……全滅でした。送った原稿はだいたい次のような返信文が同封されて送り返されて来ました。

「時下、ますますご清祥のこととおよろこび申しあげます。
さて、このたびは当編集部に原稿をお送りいただき、ありがとうございました。
拝読のうえ検討させていただきましたが、残念ながら採用しないという結論にいたりましたのでここにお知らせいたします。
昨今の新書出版の状況は大変に厳しいものがございます。事情ご賢察のうえ、悪しからずご了承ください。
末筆ながら、今後のご活躍をお祈りいたします。」

 ……「お祈り」されてしまった。エントリーシートをたくさんの会社に送っては、面接にもたどり着けない就活生の悲哀が分かったような気がしました。これは講談社さんからの返信ですが、大手出版社からの返信はみな似たようなものでした。定型文なのでしょう、どこもパソコンで打ち出したもので、編集者の署名もありません。儀礼的にでも「拝読しましたが…」と書いてくれているところは親切な方で、「弊社では現在持ち込み原稿を一切受け付けていません」というにべもない返事のところも多かったです。

 大手はダメだと気付いた私は、こだわりのありそうな中堅どころの出版社をいくつか選んで送ってみました。こちらの方が手応えはありました。何より誠実さを感じたのは、そうした出版社の多くはちゃんと原稿を読んでくれているように見えたことです。なかには落ち込んでいる自分を元気づけてくれるような返信をいただいたところもあります。

「貴重な原稿を拝見させていただきありがとうございました。とても面白く読ませていただいたのですが、弊社のような単行本しかやっていない出版社ではなかなか難しく、お力になれずに誠に申し訳ありません。
良い編集者との出会いなどによって好機を得ることもあると存じます。ひきつづきご健闘されることを祈念いたします。」(晶文社さん)

「原稿をお送り下さりありがとうございました。
小社が刊行を続ける読み手の少なそうなものとちがい、嬉しいご提案と受けとめました。原稿は読みやすく、いい文章だと拝察しました。
分量からして「新書」での刊行が適当かと思いました。小社での刊行は無理です。どこかいいところとめぐり合いますように。」(日本経済評論社さん)

 どちらも署名入りの手書きの手紙です。同じお祈りされるにしても、こんなふうに言っていただけると救われる気がしますね。まあ、出版できないという点では同じなんですけど。なるほど、現今日本の出版文化は(そんなものがまだあるとすれば)、こうした中小の出版社の職人気質を持った編集者に支えられているのだなあ、そんなことを思ったりもしました。

 そうしたなかで、ある出版社からの返信には、企画出版として採用するのは無理だけれども、共同出版なら可能性があるという提案が書かれていました。もしも商業出版が無理ならば、自費出版もやむなしと考えていた自分でしたが、共同出版という選択肢については考えたことがなかった。と言うか、「共同出版」っていったい何?(以下、次回に続きます。)

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