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2014年1月26日 (日)

「リアルすごろく旅アプリ」というアイデア

 テレビ東京の旅番組が面白い。この正月休み、定番の「路線バスの旅」だとか「すごろくの旅」だとかいう番組を家族で見ました。旅番組と言えば、少ない制作費で旬を過ぎたタレントを起用して…といったチープな印象がありますが、どうして視聴者を楽しませる工夫がいろいろと凝らされていて、ビジネスのヒントにもなりそうなアイデアが満載です。今回「すごろくの旅」を見ながら、もしかしたらこれはスマホアプリにぴったりのコンテンツなんじゃないか、そういうひらめきがあったのでそのことを書き留めておこうと思います。まだ正月ボケの治らないアタマで考えた新しいオンラインゲームの提案です。

【1】それってどんな番組?

 鉄道の駅やバスの停留所をすごろくのマスに見立てて、実際にサイコロを振って出た目の数だけマスを進んで、先にゴールした方が勝ちという「リアルすごろくゲーム」です。番組では男女それぞれが2人ずつが2チームに分かれて、男女対抗で勝敗を競っていました。止まったマス(つまり途中下車をする駅や停留所)には、二者択一のカードが置いてあって、そのうち1枚を引いてそこに書かれた指令をクリアしないと次のサイコロを振れないというルールです。カードには、その周辺の見どころに行って何かを体験して来るように指示が書いてあります。またはふつうのすごろくように「3マス進む」だとか「2マス戻る」といった指示もあります。ボードゲームのすごろくは参加者が順番にサイコロを振りますが、すごろくの旅ではそれぞれのチームが相手チームの進行と同期を取ることなくゲームを進めます。つまり、純粋なタイムトライアルなのです。ただ、編集された番組を見ている視聴者には、両チームの進行状況が交互に映し出されますから、あたかもゲーム盤を上から見下ろすような臨場感を持って勝負のゆくえを見守ることになります。

【2】どんなふうにアプリにするの?

 それを説明するには、どのようにリアルすごろくゲームを進めるか、手順を説明した方が分かりやすいでしょう。ゲームは次のようなステップで進んで行きます。

  1. ゲームの幹事が最初にゲームの基本設定をします。参加するチーム数、各チームのニックネーム、各チームの人数、ゲームの日程(「○月○日○時~○月○日○時」というように設定。日帰りでも宿泊でもOK)、旅をしたい方面(路線)といったアウトラインを決めるのです。また、オプションとして、旅のタイプを選択することも出来ます(例えば、グルメとか、温泉とか、アウトドア体験とか、歴史・文化探訪とか)。もちろん1人当たりのおおよその予算も入れてもらう必要があります。参加者の年齢層も聞いておいた方がいいですね(子供やお年寄りの有無で、採用するイベントの内容も変わる筈ですから)。旅の難易度も選択出来るといいでしょう(例えば、徒歩で歩く距離は1km以内とか)。
     
  2. ゲームの基本設定が登録されると、今回の旅のIDとパスワードが発行されます。参加者はそれを使ってログインします。最初にログインすると、所属チームを聞いて来ますから、自分のチームを選びます。(別に参加者全員がログインする必要はありません。各チーム最低1人がログインすればいいのです。) 初期画面には、旅のスタート駅とゴール駅、そしてその間のルートがすごろく風に表示されます。これでゲームの準備は完了です。
     
  3. 参加者は、ゲームの開始時刻までにスタート駅に集合します。(指定された路線の1日乗り放題切符を買っておくといいでしょう。) 開始時刻が来ると、各チームともサイコロを振れるようになります。サイコロはチームメンバーの誰でも振れますが、ひとつのマスでは1回しか振れません(振り直しは出来ません)。出た目に合わせて電車または路線バスで指定されたマスにまで行きます。(ここで各チームはバラバラになります。) 降りた駅またはバス停で、ルーレットを回します(番組ではAかBのカードを引きますが、アプリではもっと選択肢の多いルーレットにしましょう)。そこで出た指令をチーム全員でクリアします。何が出るかはお楽しみです。
     
  4. 指令をクリアしたチームは、先ほどのマス(駅またはバス停)に戻り、そこでまたサイコロを振ります。これを繰り返しながら、ゴールを目指す訳です。ゴールのマスに到達したチームは、そこで最後の指令をクリアし、ゴールのマスに戻ったところで「ゴール」の報告をします。するとアプリがそのチームの順位を表示します。すべてのチームがゴールしたら、そこでゲーム終了です。

【3】スマホアプリにする理由

 これだけの説明だと、別にスマホのアプリにする必要はないんじゃないの?という疑問を持つ方もいるかも知れません。例えばすごろく旅向けのガイドブックなんてものだって、工夫次第で作れるかも知れない。ところがすごろく旅は、オンラインゲームにすることにとても意味があるんです。例えばチームの人数や年齢層、旅のタイプや予算などに合わせてイベントを選択することは、とても書籍版のガイドブックでは不可能ですが、インターネットにつながったオンラインのアプリなら、そのへんはお手のものです。さらに季節や曜日、その時の時刻や天気などに合わせて相応しいイベント候補を選び出すことも出来ます(例えば、雨の日には野外型イベントは選ばない、その日が定休日のお店には案内しないなど)。番組では、カードに書かれた指令は「謎解き」のような曖昧な文章になっていますが、これは視聴者サービス用の演出なので、アプリの場合はもっとストレートで分かりやすい指令で構いません。目的地までの地図やお店の情報なども表示出来るようにしましょう。イベント情報は常に更新されているので、同じ場所を旅しても毎回新たな体験が出来るというのもセールスポイントです。また時刻表アプリと連動させれば、次の電車やバスの時間を気にしながらゲームを進めることも出来ます。

【4】で、いったい何が面白いの?

 こうしたイベント型のゲームを楽しめるかどうかは、結局は参加者の「ノリ」次第です。旅行は何にも束縛されることなく、足の向くまま気ままに楽しみたいという人には合わないかも知れません。でも、若い仲間同士の旅や子供連れの家族旅行などでは、参加者が同じミッションを共有することや他のチームと競い合うことで、新しい旅の楽しみ方が発見出来ると思うのです。そもそも出不精で計画を立てるのが苦手な人には、旅行というイベント自体が面倒なものである訳です。子供にせがまれて、しぶしぶ連休や夏休みの旅行の計画を立てるお父さんも多いことでしょう。ところが、このアプリを使えば、計画はいっさい要らないのです。アプリの指示に従うだけで、未知なる冒険の旅に出ることが出来る。自分で計画を立てた旅では、どうしてもマンネリになりがちで、意外な体験をする機会も少ないでしょうが、ここではすべてが予想を超えた意外な体験ばかりです。別にチーム間の競争にしなくても、1チームだけで登録すれば、家族やカップルでの単独旅行にも使えます。この場合も、予定時間内にゴールするというミッションが旅の楽しさを倍増します。

【5】さらにこんな工夫やサービスも 

 テレビ番組のようなアナログのゲームでは、相手チームの位置が分からないため、自分たちが進んでいるのか遅れているのか分からないという問題があります。これはアプリにすれば解決出来ます。いつでも他のチームのだいたいの位置がモニター出来るからです。と同時に、異なるチーム同士が同じ駅でニアミスをするような場合も事前に分かるので、そこですれ違うことなく会話を交わしたりも出来ます。さらにスマホのGPS機能で位置情報を記録しておけば、それぞれのチームが時間の経過とともにどのようなルートをたどっていたのか地図上に再現出来ますから、旅が終わったあとに参加者が集まって、それをあたかも番組を見るように楽しむことも出来るでしょう。旅の途中で撮った写真や動画を貼り付ければ、ちょっとした旅番組の完成です。少し変わった旅の記録として、何年か後に子供と見返すことも楽しそうです。このアプリが広く使われるようになれば、自分たちの旅をインターネットに公開することが流行るかも知れません。

【6】旅アプリのビジネスモデル

 このアプリがどのようなビジネスにつながるかと言えば、可能性はいろいろあります。アプリ自体は無料で配布して構いません。スポンサーはいくらでも募ることが出来るからです。鉄道会社にとっては、その路線の見どころを紹介して観光客を呼び寄せるという期待があります。イベントに取り上げるお店や観光施設などからも広告料が入って来ます(但し、お店や観光施設の選定については一定のクオリティを保障する必要があります)。インターネット上のルート検索や旅情報を提供する企業が、自社のサービスの付加価値として、このようなオンラインサービスを提供するというのもビジネスとして悪くないと思います。もちろんテレビの放送局が自社の番組のPRのために利用することも出来るでしょう。また、これからは海外からの観光客を増やして行くのが国の大方針ですから、外国語での展開というアイデアもあります。この場合、観光庁あたりから補助金が期待できるかも知れない。とにかく国内旅行の活性化に一役買うことが出来れば、周辺にビジネスチャンスはいくらでも広がる筈です。

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コメント

はじめまして。けっこう似たようなことを考えてらっしゃったので、思わずtweet&トラックバックしてしまいました!

特に

「自分で計画を立てた旅では、どうしてもマンネリになりがちで、意外な体験をする機会も少ないでしょうが、ここではすべてが予想を超えた意外な体験ばかりです」

のところは、そうそう、そうなの!と。

偶然が生みだす面白さ。予定不調和の旅。これを面白がれる人にはたまらず、自分の好きなことだけを予定どおりに…といった感じのことを求めている方々には「何がいいのかわからない」アプリになるんだろうなーと思っています。

この記事を拝見し、あらためて、仲間を探して、サイコロの旅アプリを作りたい、という気持ちを強くしました。ありがとうございましたー。

投稿: リアルダイス | 2014年3月16日 (日) 01時08分

リアルダイスさん、こんにちは。

このブログは重たいテーマの記事が多いので、こういう記事にコメントをいただけるととても嬉しいです。

サイコロ旅アプリを実現するには、ゲームデザインのセンスやプログラミングのスキルだけではダメで、実際のお店やインターネット上の情報提供サイトなどとタイアップすることが重要になります。そこが少しハードルが高いですね。

もしもいいスポンサーが見付かって、ビジネスの可能性が見えて来たら、私も一枚加わらせてくださいね。(笑)

投稿: Like_an_Arrow | 2014年3月16日 (日) 11時29分

早速のご返信ありがとうございましたー!

ゆくゆくは、色々なお店の情報等のタイアップなども出来たらとは思ってますが、私の元ネタは”水曜どうでしょう”なので、最初はすごくシンプルで駅の情報のみが入っている、「18きっぷで行くサイコロの旅アプリ」で考えています~。それだけでも、それなりのニーズはあるかなと。

↑がいい感じになれば、オプションとしてグルメとか観光スポットとかを絡めたミッション機能を欲しい人はつけられるといった形にしたいですね!あと、私鉄のフリーきっぷ版を作ることができれば、そちらはタイアップも考えたり(笑)

ちなみにクエストを楽しむ旅のサポートツールとしては、英語サイトながらこんなのもあります。が、英語なので日本語登録は2件のみなのが、残念。笑
http://travelhack.jp/2012/04/28/real-rpf-rambler/

投稿: リアルダイス | 2014年3月16日 (日) 17時15分

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