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2010年5月 9日 (日)

観光地は中国人でいっぱい!

 ゴールデンウィークは子供を連れて、近場の観光地に行って来ました。もともと混んだ場所に出かけるのは好きではありませんが、子供が生まれてからというもの、幼い心にいろいろな思い出を残すのも親の務めだと思って、機会があれば人ごみのなかにでも出て行くようにしています。今回向かったのは温泉地でした。自家用車を持っていないので、電車で行くことになるのですが、その車中ですでに異変が起こっていることに気付きました。周りから聞こえて来る会話の(感覚的に言って)半分くらいが中国語なのです。中国人や韓国人の方々は、顔つきからは日本人と見分けがつかないので、話をしているのを聞いて初めて外国人だと分かる、そんな経験は誰もがしていることだと思います。また銀座や秋葉原がショッピング目当ての中国人でいっぱいだという話もニュースなどで知っていました。しかし、ゴールデンウィークの、しかも由緒正しい日本の温泉地にまで中国人が押し寄せていたとは。おそらく日本人観光客の多くは、クルマで目的地まで行ってしまうのでしょうから、こういう状況も電車やバスの中だけかも知れない、そう考えていたらそれも違いました。食堂で食事をしていても、土産物屋で買い物をしていても、展望台で写真を撮っていても、とにかく周りは中国人だらけ。よく見ればお店の案内表示も日本語と中国語と韓国語が併記されていて、これがここでは当たり前の状況であることが分かるのでした。

 昔から観光地に行けばバックパッカーのような風体の西洋人をよく見かけました。いまでも彼らは一定割合で観光客に混ざっています。はるばる欧米から日本に渡航しようという人たちには、純粋に観光やショッピングを楽しもうとするだけではない、もう少し屈折したと言うか、複雑な理由があるのがふつうではないかと思います。例えばそれはいまだに西欧諸国の人たちに根強く残るオリエンタリズムへの興味であるとか(フジヤマ、ゲイシャはともかく、BUSHIDOやZENはまだ訴求力を保っているのではないでしょうか)、あるいは人気アニメで日本に興味を持った若者が聖地を目指すような気持ちで成田行きの便に乗ってしまうとか。国内を旅する西洋人は、どこか彼ら自身がエキセントリックな雰囲気を漂わせています。それに対して中国人の旅行者は、ふつうの家族旅行か団体旅行の人たちのような見かけと行動パターンで、まるで自国の観光地をわがもの顔で占領しているふうに見える。いや、私は別に彼らの旅行者としてのマナーに問題があるなどと言っている訳ではないのです。旅行中、いくつもの行列に並びましたが、列を割り込んで来るような人はいませんでしたし、道端に唾を吐いているような人も見かけなかった。むしろ私が面白いと思ったのは、彼らがあんまりアットホームにくつろいで楽しんでいるように見えた点です。きっと広い国から来た彼らには、ここが外国だという意識も希薄なのではないかと思いました。都会の人が地方に行く程度の感覚とでも言うのか。確かに北京や上海に住んでいる中国人にとって、国内の景勝地に行くよりも日本の方が交通の便だっていいのかも知れないし、言葉や風習が違っているという点でも両者にそう差は無いのかも知れません。

 それにしても、外国人旅行者が日本のゴールデンウィークに合わせて来日している訳はないので、どこに行ってもひどい混雑に巻き込まれることには面食らう人も多かったのではないでしょうか。それとも最近は中国国内の観光地だってどこも混雑しているので、この程度の人ごみは日常の範囲内なのでしょうか。為替レートの高い国を旅行する彼らは、きっと中国のなかでもアッパークラスの人たちでしょうから、私たち国内の庶民と同じようなところで食事をして、指定席も無いような遊覧船で湖をめぐることが果たして快適なことなのだろうか、一日本人としてそんなことを心配してしまうのでした。私自身は日本という国に誇りを持っているナショナリストなので、日本を旅する観光客の方々に満足していただけたかどうかが気にかかってしょうがないのです。ちなみに、中国人や韓国人と聞けば脊髄反射的に(ネット上などで)悪態をつく日本人、あれは決してナショナリストと呼べる人たちではありません。彼らのやっていることは、世界に向けて日本という国を貶めているだけのことですからね。今回の旅行では、日本の観光地が確実に国際化しているにもかかわらず、サービスの質はひと昔前からまったく進歩していないどころか、迎える側の対応はなんだか画一化・マニュアル化されているようで、客人をもてなすといった気持ちがまったく失われているような気がしてなりませんでした。まあ、たまたま自分が訪れたところがそうだっただけかも知れないし、行儀の悪い幼児を連れたわれわれ家族が歓迎されていなかっただけかも知れませんが…

 客商売というのも、それぞれ相手にする客層が違えば難易度も違って来るものだと思います。幸福な気分を味わいたくてはるばるやって来る観光客ほど、ちょっとしたことでも感激する心構えを持っているお客さまもいない訳で、彼らを満足させることは実は容易なことなのではないかと私は踏んでいます。別に相手の国の言葉や習慣に合わせたりする必要は無いので、ふつうに日本人が納得出来るほどのサービス品質とフレンドリーな対応さえあれば、あとは美しい誤解でも何でも彼らははるけく極東の小国まで来たことへの意義を勝手に感じ取ってくれる(感動というものにウソは無いのです)。そういういまどき珍しいほど有利な商売の利権を手にしていながら、日本の観光地で働く人たちはあまりにサービスの改善に無頓着だという気がしました。まだいまのところは、ニセの粗悪品をつかまされることがないとか、お釣りをごまかされることがないといったことだけでも、外国人観光客には価値あることなのかも知れない。しかし、それだけで彼らをリピーターにすることは出来ないでしょう。日本の観光地のサービス品質を高めることは、おそらくそれぞれのお店や働く人の心がけに任せておけばいい話ではなくて、国として取り組むべき政治的課題だとも思われます。何が自分たちの売り物で、どこで差別化出来るか、そこに自覚を持ってもらう必要がある。そのために国が予算を出して、接客の現場で働く人たちを中国の観光地に視察に行かせるくらいのことをしたらどうでしょう。そうすれば自分たちが持っている美質がはっきり分かるようになる。たとえ三坪ほどの小さな売店だったとしても、日本を代表する観光地の一角に店を構えている以上、自分は国際親善の最前線にいるのだ、そういう心構えで商売をするようになれば、やりがいだってずいぶん違って来るでしょう。

 どこに行っても混雑した観光地をめぐりながら、民主党が検討している休日分散化のことを思い出しました。あれは絶対に必要ですね。観光を日本の一大産業にするために必要というよりも、そういうものでも導入しないと経済効率も悪いしサービス向上にもむすびつかない。で、休日分散化というキーワードでネットを検索してみたのですが、これがひどい不評なのですね。特に例の「脊髄反射派」の人たちは、休日の分散化は日本人の国家意識を解体するものだなんて息巻いている。これに賛成している人の意見はほとんど目にすることが出来ませんでした。なんだか旅の疲れがどっと増したみたい。私は基本的に休日分散化に賛成したいと思うのですが、ただ、民主党が考えている方式では効果も限定的だし、逆に弊害の方が大きいのではないかとも思います。これについては次回もう一度考えてみることにしましょう。今週はちょっともうアタマが回らない。

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コメント

こんにちわ。
「人頭税は賛成でもなく反対でもないのですが、
企業=製造業だけ?という印象を受けました。
たとえば接客業やクリエイターなど効率化が
難しい分野は?と思うし…」

4月4日の記事「逝くものの言い分と〜」で
接客業の効率化について感じた疑問を上記の
コメントで少し触れました。
良い悪いはともかくとして、接客の効率化を
突き進めていくとコンビニやファストフード、
大型店舗などのFC店に代表される画一的で
マニュアル的接客に行き着くのではと思います。
簡素で覚えやすく、極力トラブルを避ける
無難で余計なことをしないご丁寧なサービス。
観光地でのサービスも例外ではない、
ということではないでしょうか。
というか、サービスだけでなく世の中全体の
システム、極論すれば思考パターンまでもが
そんな風になってきているようにも思えてきます。

投稿: あかみどり | 2010年5月12日 (水) 10時54分

あかみどりさん、こんにちは。

そうですね、自分で読み返してみても、感じたことがうまく書けていないような気がしました。観光地の混んだお店で私が感じたのは、サービスが画一化・マニュアル化されているというより、店員さんたちが押し寄せる客を捌き切れず、疲れて不機嫌な顔になっていたということだったのかも知れません。なにしろすごい人出でしたから。

やはりサービスの質を高めるには、そこで働く人がある程度余裕を持てる環境を用意することが必要だと思います。混雑の解消、客足の平準化というのもそのひとつです。ということで、今週は休日の分散化について考えています。

投稿: Like_an_Arrow | 2010年5月15日 (土) 01時58分

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