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2009年5月15日 (金)

もう一度、日本をあきらめない

 とうとうと言うべきかやっとと言うべきか、民主党の小沢代表が辞意を表明しました。党首討論を二日後に控えての辞任は、タイミングを計っていたというより敵前逃亡のような印象を国民に与えましたが、まあひとりの有権者としては、喉に刺さっていた魚の骨が取れたような気分ですっきりした。と、思ったのもつかの間、党首討論が行なわれる筈だった水曜日の朝刊にはこんな記事が掲載されました。朝日新聞一面からの引用です。

 「12日午前の民主党役員会・常任理事会。小沢氏がしおらしかったのは、辞任あいさつぐらいだった。代表職の重圧から解き放たれたのだろうか。「剛腕小沢」が突如、復活した。複数の出席者によると、小沢氏は4人の役員をにらみつけた。一人ひとりを指さし、こうまくし立てたという。「福山、長妻、安住、野田、この4人組。お前らいつも反対反対と。最後くらい言うことを聞け!」…鳩山由紀夫幹事長が提案した新代表選出案に異論を唱えた面々だが、いずれも小沢氏と距離を置く議員たちだ。」

 なるほど。最近は小沢一郎も往年のすごみと言うか、迫力を失ってしまったという意見も耳にしますが、そうではなかったのですね。ひとつはっきりしたことは、小沢さんという人は、つくづく陰の実力者が似合う人で、決してトップとして表に立つタイプの人ではなかったということです。この人をおとなしくさせておく唯一の方法は、トップに祭り上げておくことだけらしい。この2ヶ月余りの間には見たこともないような生き生きした様子の小沢氏を見れば、そのことがはっきり分かるのです。それにしても、これほど露骨なやり方で「院政」に持ち込もうとしている今の動きが、国民の目にどう映っているかということへの想像力がこの人には無いのだろうか? アンケートの結果によれば、国民のあいだにはクリーンなイメージのある岡田克也氏を待望する声が強いらしい。私も民主党の新しい代表には岡田さんが相応しいと思うひとりです(長妻さんだったらもっといいけど、それは将来のお楽しみ)。小沢氏に「4人組」と名指しされた福山、長妻、安住、野田の四氏も、もちろん岡田さんを推している。それにしても、対立候補となった鳩山由紀夫さんは、今回のことで国民の信頼を完全に裏切りましたね。小沢氏と一蓮托生だと言い、代表が辞任するなら自分も辞任すると言った本人が、その舌の根も乾かないうちに小沢氏の傀儡として代表選に出馬するなんて。

 誰にも予想がつくことですが、もしも小沢-鳩山ラインが今度の代表選に勝つようなことがあれば、民主党は次の選挙で国民から厳しい審判を突き付けられることになるでしょう。報道によれば、小沢派の派閥を中心に党内選挙は鳩山氏有利に進んでいるらしい。この期におよんで小沢氏の「剛腕」にすがろうとする民主党議員は、政権交代に期待する国民の気持ちがまったく分かっていないと言わざるを得ません。逆におおかたの予想を覆して岡田氏が勝利するということにでもなれば、この時はそのドラマチックな展開も手伝って、国民の支持は一気に民主党に傾く可能性がある。党代表の不正献金疑惑で失った失地回復のためにも、民主党にとってこれ以上のシナリオはあり得ないだろうとさえ思います。そういう意味では、いま民主党は次の国政選挙に向けて党勢を一気に盛り返す千載一遇のチャンスにめぐり合っているとも言えるのです。そのチャンスを生かすも殺すも、221人の民主党議員にかかっているという訳です。

 思い返してみれば、2005年9月11日の衆議院選挙で、飛ぶ鳥を落とす勢いの小泉前首相を相手に民主党を率いて戦ったのが、時の岡田克也代表だった訳ですね。結果は誰も予想しないほどの自民党の大勝で終りました。その責任を取って岡田さんは代表を辞任したのでした。あれから4年、国民は今も小泉改革の重いツケを払わされ続けています。あの時、与党に三分の二以上もの議席を与えてしまったことは明らかに誤りだった。日本の歴史を誤らせたとも言える9.11選挙で、岡田民主党が掲げたスローガンは「日本をあきらめない」というものでした。これは岡田さん自らが選んだコトバだったそうです。なんてまあ後ろ向きでいじけたスローガンだろうと、当時のマスコミも私たち国民も笑ったものでした。これじゃあ選挙に負けるのも仕方ないよねと。しかし、あの頃からすっかり状況の変わってしまった今日、もう一度「日本をあきらめない」とつぶやいてみれば、なかなか心にしっくり来るコトバではありませんか。この4年間で、すっかりこの国には格差や貧困が定着してしまい、政界では今も魑魅魍魎が跋扈している。しかも底無しの不況のなかで将来に明るい光も見えない絶望的な状況だ。いやいや、それでも日本をあきらめない。もしも民主党が岡田代表を立てて次の衆院選を戦うという選択をするならば、国民はあの遺恨の残る9.11選挙をもう一度やり直すチャンスを持つことになるのです。

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