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2009年1月 4日 (日)

日本再生は小選挙区討論会から

 オバマ氏を次期大統領として擁するアメリカという国が羨ましいのは、すべての国民(有権者)が参加して、たったひとりの自分たちのリーダーを選び出す仕組みが確立されているということです。長い選挙期間を通じて大統領候補の人間性や政治的主張がすべてオープンにされる、その内容は海外ニュースを通じて日本にも伝わって来て、例えば私たちは自分が住む小選挙区の立候補者よりもオバマ氏の人となりの方をよく知っていたりする。日本の総理大臣というのは、政権党の派閥力学によって選ばれるだけの存在で、国民の選任を経て一国の首長になっている訳ではありません。これは制度の違いで仕方の無いこととは言え、これだけ国民の信頼を裏切る総理大臣ばかりが続くと、日本でも国民が直接リーダーを選べる仕組み(首相公選)が取り入れられないものかと思ってしまいます。

 この正月休み、今年は政治の年になるなあとぼんやり考えながら、自分が来るべき衆院選にあまり関心を持っていないことに気付きました。我が選挙区の候補者殿は、大体いつも同じ顔ぶれで、落選する人も同じなら、当選する人も国会ではほとんど存在感が無く、ふだん何をやっているのかも分からない。私の予測では、今年の衆院選は自民党対民主党という二大政党の対決にはならず、新たに旗揚げした新党やら離党した無所属候補やらが入り乱れたグチャグチャな選挙になります。もはやどこの党の所属候補かが問題ではなく、候補者本人の人間性や政治的主張で選ぶしか選択肢が無くなる。と考えて、ふと思い付きました、そうだ、私たちの選挙区でも有力候補者を一堂に集めて公開討論会をやればいいんだ、オバマとクリントンがやったみたいな。選挙と言えばやかましいだけの宣伝カーが候補者の名前を連呼し、ふだんは肉声を聞いたこともない候補者が街頭演説でがなり立てる、そういう選挙運動には我々はもううんざりしている訳です。しかし、これが地元の公会堂を借り切って、数千人の市民を前にライバル候補同士が議論を戦わせるのだったら、これはけっこう興味の持てるイベントになりそうです。もちろんその時の様子はインターネットに動画として公開され、当日会場に来られなかった人も見られるようにする。一ヶ月の選挙期間中に最低でも二回は討論会を開催したいところです。どんな街頭演説や公約ビラよりも、これは有権者にとって有益な情報源になりそうです。

 せっかく小選挙区制度というもので、地元候補と私たち有権者の距離が近くなったのだから、出来れば自分たちが誇れる代表を選びたいじゃないですか。そして我が町から出た議員さんには、国会でもばりばり発言をして頭角を現して行ってもらいたいじゃないですか。公約ではいくらでもきれいごとが書けるし、どの候補者もほとんど同じようなことしか言っていないけれども、これがやらせ無しの公開討論会ということになれば、その人の実力のほども見えて来ようというものです。少なくともどのくらい〈弁の立つ〉人であるかはすぐに分かる。いくら素晴らしい公約を掲げていても、弁の立たない人は政治家として失格ですから、そこを見極められるだけでも意味があります。各選挙区の討論会開催者(地元のボランティアかNPO団体でしょう)にとっては、討論を盛り上げることの出来る司会者を探して引っ張って来ることも重要です。いまテレビの政治討論会で、政治家のホンネを引き出せる司会者と言えば、ほとんど田原総一朗さんの独壇場ではないかという気がします。でも田原さんももうお歳だし、この人が引退したら日本の政治の風景もずいぶんさびしいものになるだろうと思います。小選挙区討論会は、田原氏の後継者を育てるためにもなるのです。ある選挙区で無名の司会者が白熱した議論を演出して話題になる。その人は多くの選挙区から引っ張りだこになり、やがて全国区で名前が知られるようになる。そういう人が多く登場して来ることは、これからの政治を面白くし、健全に発展させるためにも欠かせない要素だと思います。

 もしも小選挙区討論会が軌道に乗り、有権者の政治に対する参加意識が高まったら、それを選挙が終わった後も持続させる仕組みも必要です。ここでもインターネットを活用しましょう。私たちが送り出した人が国会でどのような活躍をしているか、それを監視出来る仕組みを作るのです。よく競馬中継では、出走馬一頭ずつに専用のカメラが用意されていて、優勝馬や人気馬が最後の直線でどのような動きをしたか、リプレイで見られるようになっています。このアイデアを頂戴しましょう。国会に定点カメラを設置して、議員席の様子をリアルタイムで配信する。すべての議員数分は必要無いとしても、ひとつのカメラで3人ずつくらいを捉えて、漏れが無いようにします。もちろん質問と答弁はアップで映して、各チャンネルとも2画面構成で見られるようにするのです。これで我が町の議員さんが居眠りをしているところも、下品な野次を飛ばしているところも、すべて見られるようになる訳です(指向性の高いマイクを設置することも必要ですね)。討論会と違って、長い国会中継をずっと見続けるのは苦痛ですから、面白いハイライトシーンだけを誰でも自由に編集して、動画サイトに公開出来るようにしましょう。きっと「今週の居眠り議員」だとか「今国会の傑作野次ベストテン」なんていう特集サイトも出来るでしょうね。これは選ばれた議員に対しても、緊張感を与えずにはおきません。もしも前向きな議員さんなら、自分の発言部分だけを編集して、自身のブログサイトに掲載したっていいのです。

 さらに私の空想は続きます(お正月なので許されよ)。小選挙区討論会や国会定点カメラによって、ひとりひとりの議員(および議員候補)の政治的主張や国会での活動に簡単にアクセス出来るようになれば、自分の選挙区以外の候補者を応援したくなる機会も増えることでしょう。このニーズに応えるために、ふるさと納税ならぬ「ふるさと投票」制度というものも導入します。これは有権者が自分の選挙区への投票とは別に、全国の好きな選挙区の候補者に一票を投じられるという制度です。これで何が良くなるかと言うと、一般に有権者の関心があまり高くない分野に対して強い政治的意欲を持っている候補者を掬い上げることが出来るのです。例えば障害者福祉ということを最大の公約に掲げても、選挙区ではあまり票には結び付かないでしょうが、もしかしたら全国からはたくさんの票が寄せられるかも知れない。もちろんふるさと投票の票を地元票と同じ重さにカウントすることはバランスが悪いので、こちらは十票で一票分くらいに数えた方がいいでしょう。それでもこの制度があれば、有権者の投票意欲が増すことは間違いないと思います。私は以前の記事で、比例区に代わる「専門区」というものを提案したことがありますが、それに近い効果が生まれる可能性があるのです。(開票の際にはまず地元票が開いて、それから全国のふるさと票が順次加算されて来るので、意外な逆転劇などもあって楽しめそうです。)

 どうでしょう、これならば現行の選挙制度をそれほど大きく変えなくても実現出来そうじゃないですか。毎回このブログでも愚痴っているように、とにかくいまの政治家には魅力が無さ過ぎる。現実に魅力が無いのと同時に、魅力を伝える仕組みが無いのです。もしも全国各地の小選挙区討論会を勝ち抜いて抜擢された政治家ばかりが集まれば、日本の政治も本当に変わるような気がしませんか。そうなれば親の七光だけで当選してしまう二世議員だってかなり選別出来るし(実力のある人なら残ればいいのです)、政治家を目指そうという有為の若者だって増えるに違いない。日本からもオバマ氏に対抗出来るほどの政治家が現れるかも知れません。(いや、現れてくれなければ困ります。) とりあえず地元の討論会なら、どこかの選挙区が率先して実行すれば話題になること間違いありません。私自身は行動力のない一介の空想家なので、自分でそれを始めることは出来ませんが、あなたが呼びかけてあなたの選挙区でまず始めてみることは難しくないような気がします。

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