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2008年3月 9日 (日)

北京五輪でのブーイング対策について

 インターネットの世界では、3日前のニュースはもう遠い過去の話ですから、いまさら半年前の話題を持ち出すのも気が引けるのですが、前回のエントリーに関連して日中関係の問題について検索していて、面白い記事に行き当たりました。新聞やテレビでも報道されたそうですから、覚えていらっしゃる方も多いと思います。昨年九月のワールドカップで、女子サッカーの「なでしこジャパン」が中国の杭州でドイツチームと対戦した時の話です。ドイツ側の応援席を埋めたのは、ほとんどが地元の中国人でしたが、これが試合前の国歌演奏の時から試合が終わるまで、終始日本チームに対して激しいブーイングを浴びせ続けたのです。なでしこジャパンは、そのプレッシャーによく耐えながら善戦しましたが、試合は2対0で敗れてしまいました。地元の観客には胸のすくような結果だったと思います。ところが、試合後に日本チームの選手が思いもかけない行動に出たのです。チームの全員があらかじめ用意してあった大きな横断幕を持ち、観客席に向かって深々とおじぎをした。その横断幕には、『ARIGATO謝謝CHINA』という文字が染め抜かれていました。その瞬間、観客席のブーイングは収まり、意表をつかれた観客席の一部からは拍手さえ湧き起こったと言います。この事件はマスコミにも取り上げられ、地元の新聞は、「日本チームは試合には負けたが、その果敢な行動で中国人観客のマナーの悪さに打ち勝った」と報じたのだそうです。

 いまでもインターネットを検索すると、多くのブログや掲示板でその時の反応を見ることが出来ます。例によって一部の掲示板では、「中国に媚を売る土下座サッカー」などという揶揄が見られるものの、多くの日本人の反応はおおむね好意的だったようです。いや、好意的というだけでなく、むしろその勇気ある行動に感動したという声の方が多い。私も遅まきながらこの記事を読んで、胸を打たれたというのが正直な感想です。でも、それは単にひとつの美談を聞いたということではない気がします。この魅力的な〈いたずら〉が、選手たち自身の思い付きだったのか、それとも誰かの入れ知恵によるものだったのか、私には分かりません。しかし、そこには非常にしたたかな計算があったように思われるのです。もちろん試合の前から、選手たちは地元観客の激しいブーイングがあることを予想していた訳でしょう。そんな状況のなかで、感情的な対立の構図に巻き込まれることなく、しかも相手におもねらない毅然とした態度を示す方法として、彼女たちのとった行動はほとんど百点満点だったと私は思います。その時の写真を見れば、彼女たちの手にする横断幕がとても立派なもので、決して試合の前日に思い付きで作ったようなものではないことが分かります。ここが重要な点です。日本を発つ前からこうした事態を予想し、このパフォーマンスを周到に準備していたという事実にまで思い至れば、観客席でブーイングを浴びせていた中国人だって、自分たちの方が完璧に〈一本とられた〉ことに気付く筈なのです。

 北京オリンピックでは、環境や食の安全に関する問題が参加国の心配のタネになっていますが、日本人選手にとっては、これに開催国の反日感情というもうひとつの懸念事項が加わる訳です。これに対抗するために、なでしこジャパンが先鞭をつけた〈クール・ジャパン戦略〉を北京に持ち込むというアイデアはどうでしょう。『ARIGATO謝謝CHINA』に関しては、これはもう歴史的な名キャッチコピーと言っても過言ではないので、例えばこれを日本人選手のユニフォームの中にデザインとして刷り込む。応援団も胸に大きくこの文字をあしらったお揃いのTシャツを着て北京に乗り込む。それだけではインパクトも弱いですし、見慣れてしまえば逆に嫌味にもなり兼ねないので、なでしこジャパンがやったような斬新なサプライズを要所々々で演出することが大事です。どんなアイデアがあるかな? 日中両国民にとって思わず「ぐっと」来てしまうような魅力的なキャッチフレーズをたくさん考えて、それを横断幕や旗にしてここぞというタイミングで観客席で翻す。『ARIGATO謝謝CHINA』のマスコット・キャラクターを作って、その着ぐるみを着たプロのダンサーが試合のインターバルに「謝謝CHINA」の踊りを踊る(笑)。もしも組織的な応援団を送り込めるなら、観客席に人文字でメッセージを表現するのもかっこいい。とにかく、新しい企画をどんどん繰り出して、それが北京オリンピックのひとつの名物になって、世界中のマスコミも注目するくらいにまでなれば、その宣伝効果には測り知れないものがあります。

 スポーツ観戦において中国の観客があまり賢明でないのは、日本に対するブーイングを日中戦だけでなく、第三国との試合のなかにも持ち込んでしまうことです。もしも日中戦のなかだけなら、それはローカルな話題に過ぎないので、世界中の人が注目するところにはなりません。ところが、これを対ドイツ戦でやれば、その様子はドイツ国内にも放映される訳ですから、それを見たドイツ人は、いったい何なのこれは?という感想を持つことになる。日本としては、これを利用しない手はありません。特に重要な大国との試合のなかでは、とっておきのサプライズを準備して、見世物としての面白さも演出します。これを繰り返して行けば、「歴史的な民族対立の感情をいまだに引きずっている国民」対「それに屈せずに新しい友好関係を作り出そうとしている国民」という対立の構図を全世界にアピールする機会になるのです。これは中国の人たちをからかったりおとしめたりする意図で行なわれるものではありません。歴史的に見れば、非は明らかに日本側にあるのですから、中国側からのブーイングを茶化して笑いのめすといった態度ではなく、なでしこジャパンがやったように真摯にこれと向き合う態度がここでは重要です。(って、書いてる本人が全然真摯な態度じゃないけど。笑)

 月並みな結論になりますが、今年のオリンピックが日中の国民感情を転換するターニング・ポイントになればいいと思います。オリンピックは若い人たちが主役の祭典です。その若い人たちが、自分が生まれてもいなかった時代の憎しみを継承していることほど馬鹿げた話はありません。中国共産党がいまも継続している反日教育は、ほとんど自国民に対する犯罪行為に等しいものではないかと私は思っています。その教育の効果が現れ過ぎて、応援席での国民のマナーの悪さを世界中に披瀝してしまうという結果になっている。共産党に対しては自業自得と言っておけば済むような話でも、これからの時代を担う若い人たちにとってみれば、やはりこれは不幸なことであるに違いありません。こんなくだらない状況は、若者自身が打ち破って行かなくてはならない。数年後に振り返ってみれば、2008年のオリンピックから日中関係が大きく変わった、そう実感出来るようなイベントに仕立てて行くべきです。その鍵を握るのは、日本人選手と日本からの応援団かも知れないと思うのです。

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